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​小説

『史記』や『三国志』を筆頭とする中国史も趣味のひとつなのですが
今までの活動の中で、それだけは出せていなかったという事と
ちょうどコロナ禍の時期だった事もあり
小説投稿サイト「カクヨム」で連載を始めた事をきっかけに
「個々に完結しながら世界観は繋がっている」という​ユニバース展開やりはじめ
​気が付けば、こちらもライフワーク化しておりました。

『西涼女侠伝

無敵の剣術を会得した男装の女剣士。
立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超

 舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。

 役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
 家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
 ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
 荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。

【ステキブンゲイ】屍山血河タイトル画像.jpg

『屍山血河の国

恨みを抱いた死体が蘇って人を襲う。
恐ろしくも悲しい歴史伝奇ホラー

 複数の胡人(北方騎馬民族)が中華に進出し覇を競った五胡十六国時代の事。
 漢人至上主義の下に起こった胡人大虐殺により、数十万人が殺され、その遺体は荒野に打ち捨てられた。

 そんな虐殺が起きて間もない冀州・曲梁県で起こった恐ろしくも悲しい事件の顛末とは。

【ステキブンゲイ】復讐剣タイトル画像.jpg

荒野の復讐剣

「人を殺めました……」
血塗れの生首を持って自首した娘が語った復讐の物語

 生首を片手に「人を殺した」と自首してきた若い娘がいた。
 平穏だった辺境の砂漠の街で、白昼堂々起こった殺人。
 投獄された彼女が語った復讐の物語とは……。

 人生の半分をただ復讐の為に生き、『後漢書』にその名を刻んだ烈女・趙娥の逸話を元に武侠小説テイストで肉付けした短編です。

【ステキブンゲイ】鴛鴦タイトル画像.jpg

ただ鴛鴦を羨みて

戦火に巻き込まれた令嬢と、騎馬民族の王子
その出会いと別れ

 騎馬民族である南匈奴が、部族を率いて後漢王朝に従属した。
 そんな南匈奴の左賢王(第一王子)が、時の権力者である曹操に頼みがあるという。
 彼にはどうしても、もう一度会いたい女性がいた。

 後に三國志の序盤としても知られる建安年間。
 後世に名を残した者たちの、その偉業の影に隠れた物悲しい恋の物語。

【ステキブンゲイ】要塞少女タイトル画像.jpg

要塞少女

蛮族に包囲され孤立した城を守り抜いた指揮官は
十四歳の少女であった

 三国時代を統一によって終わらせた西晋王朝の末期。
 かつて南中と呼ばれた寧州で、蛮族の反乱によって孤立した州城。今は国中が内紛の只中にあり援軍も望めない。絶体絶命と思われた城を救ったのは、名将である父から兵法・武芸を学んだ弱冠十四歳の少女・李秀であった……。

 かの『三國志』で、劉備たちが治めた蜀の地。そんな蜀漢が滅びた後、蜀がどんな歴史を辿ったのか。
 東晋時代に編纂された史書『華陽國志』(巴蜀の地方史)に記された史実を元にした伝奇フィクションです。

【ステキブンゲイ】皇帝デブゴンタイトル画像.jpg

皇帝デブゴン ~怒りの太祖拳~

皇帝陛下は強くて丸くて気さくなおっちゃん

 五代十国時代の末期、周囲の者から新たな皇帝に担がれたのは、上の者への忠義に厚く、下の者への面倒見はいいが、大酒飲みでだらしない武術の達人・趙匡胤であった!

 成り行きで北宋の初代皇帝となったオッサンは、それでも自分を変えなかった。

【ステキブンゲイ】準備中画像.jpg

紂王と妲己

殷王朝を滅亡させた暴君と悪女
その実態はどうだったのだろうか

 古代黄河文明のひとつ、殷王朝。
 三千年以上も前に滅亡したこの国の最後の王・子受(紂王)は残虐非道、その妃である妲己は夫を誑かしたとされ、両者は後世に暴君と悪女の代名詞となりました。
 小説『封神演義』などでも同様に巨悪として描かれています。

 しかしそれらは全て、殷を滅ぼし勝者となった周王朝の時代に書かれた文献が元となった物です。
 甲骨文や、青銅器の金文、遺跡の痕跡など、考古学的な状況証拠を照らすと別な側面が見えてきます。

 そんな文献から想像を膨らませたエッセイを交えた歴史小説です。
 再現ドラマ付きの歴史ドキュメンタリー番組のようなイメージで想像していただけると幸いです。

【ステキブンゲイ】滎陽タイトル画像.jpg

滎陽の廃帝

後漢光武帝と対立した赤眉軍の建世帝
退位後の彼の後半生は…

 漢帝国の再興を成し遂げた光武帝・劉秀。
 そんな彼と天下を巡って対立した赤眉軍に皇帝として擁立されていた建世帝・劉盆子。

 まだ十代の少年で事実上の傀儡であった事から許された劉盆子は、光武帝の庇護の下、後漢王朝の列侯(貴族)となりましたが、その後半生は史書の記述が少なく謎に包まれています。

【ステキブンゲイ】北宮純タイトル画像.jpg

北宮純 ~祖国無き戦士~

忠を捧げる祖国も無いままに
戦場を駆け抜けた男の生涯

 三国時代を統一によって終わらせた晋(西晋)は、八王の乱と呼ばれる内紛で内部から腐り、異民族である匈奴によって滅ぼされた。
 そんな匈奴が漢王朝の正統後継を名乗って建国した漢(匈奴漢)もまた、僅か十年で崩壊の時を迎える。

 そんな時代に、ただ戦場を駆けて死ぬ事を望みながらも、二つの王朝の滅亡を見届けた数奇な運命の将がいた。
 その名は北宮純。

 漢民族消滅の危機とまで言われた五胡十六国時代の始まりを告げる戦いを、そんな彼の視点から描く。

【ステキブンゲイ】準備中画像.jpg

楽園を探して ~五胡乱華放浪記~

頭脳派な田舎娘と、野性的な女剣士
凸凹コンビが戦乱の中世中華を放浪する

 異民族の大反乱により中華が無法の乱世となった五胡十六国時代の初頭。

 名門貴族に、あわよくば皇室の後宮に嫁入りする事を夢見て、貧しくも必死に勉強を重ねた貧乏貴族の娘・小恬。
 彼女の望みとは裏腹に社会そのものが無法の乱世となってしまい、遂に盗賊に殺されそうになった所を、ワケありな様子の騎馬民族の女剣士・暁鹿に救われる。

 五経から道術、医術、歌舞音曲まで知識は豊富で口も上手いが武術はからきしな田舎娘。
 剣術、弓術、馬術と、並みの男を凌駕する武を誇るも、漢人の常識に疎く、読み書きも出来ない蛮族の娘。
 ひょんな事から同道する事になった二人の少女は、戦争の無い安全な土地を探して、中華各地を放浪していく……。


 東晋の大興年間(西暦320年前後)における中華各国の情勢を旅人の視点から見た歴史小説ですが、歴史ネタを気にせず乱世の旅行記(珍道中?)としても楽しめる……、と思います。時代が時代なので地獄絵図みたいな世界ですが……w

【ステキブンゲイ】仏図澄タイトル画像.jpg

西域から来た仏図澄さん!

幽霊も妖怪も盗賊も最強ジジイが全部解決!

 時代は乱世の中華、五胡十六国時代。名将・石勒が建国した後趙の統治下。
 そこには天竺(インド)で修行した超常パワーの僧侶・仏図澄さんがいた!

 志怪(怪談)の皮をかぶったホラーコメディです。
 不定期更新の一話完結型、連作短編になります。

【ステキブンゲイ】邯鄲タイトル画像.jpg

邯鄲の匣

数十万の屍が積みあがった乱世に
封じられた三百年の怨念が蘇る

 死体を見ない日など無い、この世の地獄とさえ呼ばれた五胡十六国時代の冀州。
 死体漁りの盗人たちが偶然見つけた匣は、漢の時代にまでさかのぼる呪物であった……。

 三百年の時を越えて蘇ったのは悲しき怪物。
 対して道士や仏僧らが、宗派の壁を越えて立ち向かう。

【ステキブンゲイ】周公タイトル画像.jpg

周公が来た!

白髪の老将軍、単騎にて敵軍を壊滅せり!

 中国は南北朝時代の中頃。
 南朝にひとりの老将がいた。
 その名は周盤龍。

 六十七歳という高齢でありながら、迫り来る北朝の大軍にただ一騎で突入して勝利を収め、天下にその名を轟かせた。

 『南斉書』に記された伝説的な逸話に肉付けした短編です。

【ステキブンゲイ】上源タイトル画像.jpg

上源は雷雨なり

世界帝国の終わる時
二人の男の争いと共に、乱世が始まった

 かつては世界帝国と呼ばれた唐王朝も国家としての寿命が尽きようとしていた。
 唐の首都・長安すら失陥した民衆反乱「黄巣の乱」は、歴史の表舞台に二人の男を出現させた。

 全身黒づくめで統一した最強騎馬軍団「鴉軍」を率いる、蛮族集団の若き族長。
 独眼龍の異名を持つ猛将・李克用……。
「売られた喧嘩は熨斗付けて返しちゃるけぇな!」

 浮かべた笑みで本心をひたすら隠しながら、相手の地位を問わずに利用し使い捨て、そして自身は伸し上がる。
 笑面虎の異名を持つ謀将・朱全忠……。
「忠も、孝も、情も、命あってのもんやで」

 もともと唐王朝に仕えていたわけでは無かった二人が、唐王朝の窮地を救う事となる。
 しかし出自も性格も違うこの両者は、決して相容れる事は無かった……。

 唐王朝の末期に起こった、ひとつの事件。
 この事件こそ、五代十国時代という乱世の幕開けとなったのである。

【ステキブンゲイ】準備中画像.jpg

王様と鶴

その王様の友達は、一羽の鶴だけでした

 とある国の王様は、ひとりぼっちでした。
 彼のお父さんは、国を盗んで王様になった人だったので、国の人たちからも、周りの国からも「どろぼうの国」として嫌われていたのです。
 そんな国を受け継いでしまった王様は、誰とも仲良くなれず、ただただ美しい鶴だけが友達でした……。


 春秋時代に実在した、衛の懿公の逸話を題材に、童話風に脚色したお話です。
 「ぶっちゃけ注釈の方が本番だろ」とセルフツッコミ!

【ステキブンゲイ】準備中画像.jpg

越絶の華

山で育った少女は
百人の兵士を相手に圧勝できる剣の達人だった

 春秋時代。
 天下の中心であった周王朝から遠く離れた東南の地で、長きに渡って争っていた二国。呉と越。
 世代を跨いで競った両国は、遂に決着の時を迎えようとしていた――。

 しかし越王・勾践は、呉との最終決戦を前に決断を躊躇していた。
 いくら斜陽の呉であるとはいえ、後世にその名を轟かせる事になる軍略家・孫武(孫子)が鍛え上げた呉の精兵を相手にするには、越の兵士は練度が足りていなかったのだ。

 そこで越の軍師・范蠡が連れて来たのは、ひとりのみすぼらしい少女。名は奇奇。
 山深い辺境の村に生まれた彼女は、その剣一本で故郷の村を救った英雄であった。
 憮然とした態度の少女を引き連れた范蠡は王に告げた。

「この娘ひとりで百人の兵に勝ります。この者と同じ剣技を会得できた兵士が百人でもいたならば、その部隊だけで万の敵に打ち勝てましょう」

 そうして腕試しと称し、戟を構えた百人の兵士が少女を取り囲んだ……。

 ひとりの少女の物語は、やがて呉越の歴史を変え、その剣は後世に伝説となっていく。



 春秋時代の史実である呉越戦争の顛末を背景に、民間伝承や後世の創作などの要素を盛り込んだ歴史伝奇物語です。

 武侠小説の大家・金庸が同じ題材で『越女剣』という作品を書いているので、水城洋臣版の『越女剣』とも言えます。←

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